審査員推薦作品
「魚の一日」
【講評】審査員:大沼 映夫 先生
中村君の「魚の一日」は純粋で 素直な心と自由で奔放な表現力にすっかり魅了されてしまいました。芸術作品として見る見ないは別として芸術家や創造に携わる人々は生涯子どもとしての部分がその人の作品を作ることを知っています。
中村君の作品には子ども心が充分に表現されているように思いました。
審査員推薦作品「魚の一日」
審査員推薦作品
「Blue」
【講評】審査員:大津 英敏 先生
作者の通う学校か、もしくは画中の描かれている女子学生の住むアパートを、柔らかなホワイト基調で描かれた絵画が、見る人によりやさしく語りかけるのは、ソフトタッチの描法と、画面手前のガードレールと同様に、U字形にカーブを持つ景観描写が寄与しているように思う。加えて画中に、一センチ巾ほどの、赤や黄色を着彩したテープが上中下の三箇所に、舞うかのように張り描かれている。
建造物の厳しい景観を、色つきのテープをやわらかな曲線を加えることで、異次元の絵画空間を現出しているように思う。その光景に何よりも必要とされたのが、描く人とその友人とおぼしき立姿の女学生の二人像ではないだろうか。
審査員推薦作品「Blue」
審査員推薦作品
「人智の進歩図」
【講評】審査員:山本 貞 先生
コロナのパンデミックがいまさらのように人類とは何か、 人間とは何か、といった問題を考えていく思考がいま広がっている。
この作者も、そうした知的なことを考えている少年なのだろう。人類の云々というより人智の進歩としたところが一つのポイントだ、だから古代文字があったり、色々と医学・死と生といったものを司る物たちが、語り部となって作者の宇宙をつくっていった。
現代の知的ドラマとして考えると興味深いものがある。
審査員推薦作品「人智の進歩図」