審査員推薦作品
「ill」
【講評】審査員:大沼 映夫 先生
小峰啓太君の作品は、ちょっと見たところではいったい何を描いているのか、白いキャンバスに、ボードの様な色を塗り、その上にチョークで描いた様ないたずら書き風な線描、見る人をコバカにした様な仕事だが、作者の鋭敏な感性と造形力を高く評価したいと思います。
審査員推薦作品「ill」
審査員推薦作品
「変身」
【講評】審査員:大津 英敏 先生
きらびやかな和式の着物と美しい髪かざりをした女性が、五名とも六名とも見える女性たちが、かなりの完成度の高い技術で描かれて、そして美しくもにぎやかな画面上部とは異なった色調によって描かれた画面下の人は、頭を丸くした尼のような雰囲気が漂う。
華やかな世界から穏やかな宗教の世界に身を置きたいと願う心が表現されているのでしょうか。表現したい心が、優れた描写力で描かれています。
審査員推薦作品「変身」
審査員推薦作品
「悶々」
【講評】審査員:田中 義昭 先生
加藤さんの作品は数ある作品の中で独自の白色を基調にした空間の中で爽やかな音の響きが寂寥の中、色々な音が伝わってきます。 画面自体は、腕と鍵盤のみの不思議な空間で何とも不思議な魅力的な作品で観る人には色々と創造させられます。
審査員推薦作品「悶々」
審査員推薦作品
「朝の眺め」
【講評】審査員:遠藤 彰子 先生
人間のような機械のようなものが高い所に座っています。不安がよぎるが楽しい気分にもなってくる不思議な作品です。ペンで描く特徴を上手く利用して、大きな構図を作りながら細部が実に丁寧に描いている所が魅力です。
見た瞬間に賞を決めるほどインパクトがありました。画面の汚し方も上手く白・黒のリズムが美しい佳作です。これからも見ていきたいと思わせる作品でした。
審査員推薦作品「朝の眺め」
審査員推薦作品
「繫~KIZUNA~」
【講評】審査員:山本 貞 先生
人がしっかりと手を結ぶ「キズナ」のイメージが、この連結器にある。貨物列車で唯一、外から見えるメカニズムが、この絵の場所だ。ぼくも少年のころは、連結器がゆっくりと近づいてガシャッと大きな音を立てる瞬間が楽しみでよく見物していた。鉄道のなかで妙に人間くさい部分なのである。
さて、絵の注文を少しつけておこう。鉄の部分は熱中して描いてはいるが風景に問題がある。白い電柱が左右を分ける作用をしすぎているし、砂利が描いていない。この石の粒で遠近が出せるし残念であった。でも総合的には強い表現力があると思う。今この時代で「繋ぐ」という意味をしっかり考えているのも頼もしい。
審査員推薦作品「繫~KIZUNA~」