ボールサイン

商品の特長

  • 「ボールサイン」はサクラクレパスが開発した世界初の水性顔料ゲルインキボールペンです。

    • なめらかな書き味

      水性インキと油性インキ両方の特長を併せ持つゲルインキと、ペン先部分(チップ)の工夫によってなめらかな書き味を実現しています。

  • 鮮やかな色

    • 鮮やかな発色と幅広い色彩表現

      絵具で培った技術を転用し、鮮やかな発色を実現しているほか、ゲルインキには金属やガラスなど粒子サイズの大きい素材を入れることができ、多様な色彩表現が可能となりました。

  • 優れた耐水性・耐薬品性・耐光性

    • 耐水性

      色材に顔料を使用していますので、乾燥後、水に濡れてもにじみません。

    • 耐薬品性

      酸性やアルカリ性に強いインキですので、汗や油などがついても落ちにくくなっています。

    • 耐光性

      耐光性に優れた顔料を使用していますので、直射日光があたっても筆記線が色褪せにくくなっています。

ゲルインキボールペン開発までの道のり

今では広く親しまれている「ゲルインキ」は、サクラクレパスが世界で初めて開発したインキです。
ゲルとは、静止状態では粘度が高く寒天状のものが、撹拌(かくはん)されると粘度が低くなり水のようになるものをいいます。整髪料のヘアジェルなどはゲルの一例です。この性質を持つゲルを筆記具のインキにしたものが「ゲルインキ」です。これを利用した場合、インキタンクの中では油性ボールペンのように高粘度状態で安定していて、筆記時にはペン先のボールの回転によりインキが撹拌されて水のようになるため、なめらかに書けるのです。

「ゲルインキ」を初めて世に送り出したのは1984年。その開発は「水性ボールペンと油性ボールペンのいいとこどりをしたボールペンを作ることができないか?」と考えたことが始まりでした。
水性ボールペンは、インキに粘りがなくサラサラのため、書き味がなめらかですが、中芯式のため、インキの残量が分かりません。一方、油性ボールペンは、インキ粘度が水性インキより約1000倍高く、パイプに詰めることができるため、インキ残量を外から確認することができます。しかし、当時の油性ボールペンは書き味が重く手が疲れるところが欠点でした。

水性と油性の両方の特長を持たせるためには、水と油の相反する性質をいかに融合させるか、という大きな課題をクリアする必要がありました。研究当初は失敗の連続で、目標にはほど遠い欠点ばかりのボールペンにしかできませんでしたが、このような試行錯誤を繰り返すうちに「静止状態では粘りのある寒天状態のものが、ボールの回転により撹拌されると粘りがなくなり、水のようになる“チキソトロピー性”をインキ自体に持たせる」ことが、解決への糸口ではないかと分かってきました。

そこで、寒天や卵、とろろ、コーヒーなど「どろっ」としていて、後で「さらっ」とする素材を何千種類も集め、一つひとつ試験していきました。その結果、インスタントスープなどに入っている「とろみ」をつける食品添加剤である「キサンタンガム」が適していることがわかり、これをインキの素材に採用することにより、水性インキと油性インキ両方の長所を持つ「水性顔料ゲルインキ」の開発に成功したのです。

こうして、サクラクレパスは世界初の水性顔料ゲルインキボールペンを発売。この新しいインキが世界のボールペン市場に革命を起こし、現在はゲルインキがボールペンの主流になるまでに至りました。