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小学校の先生方へ —日々の授業に役立つ情報満載—

コラム 外国語活動教育について

vol11.大阪府の外国語活動プロジェクト

子どもたちは、未来に生きる人たちです。その子どもたちに、今を生きる私たち大人が、素敵な「未来への贈り物」として外国語活動をプレゼントできればと思います。

大阪府における小学校外国語活動を語る前に、一見、本題と無関係に思える「大阪マインド(わたしが個人で使っているだけですが…)」についてお話しさせていただきます。

大阪では、何気ない日常の些細なやりとりの中で「どれだけ面白いことを言って、相手を笑わせるか」と会話の隙間探しに心血を注いでいる場面や、お互いが「笑い」を追求するあまり、交渉が全く前に進んでいない場面などにしばしば遭遇します。このような場面に遭遇した時、府在住40年の私でさえ「『笑い』が人々の行動を縛っているのでは?」と嘆息せざるを得ません。(ある時、K主任指導主事に、部下であるH指導主事が、「今日の研修の評価基準は、参加者を10回以上笑わせる」と提案したところ、「いやいや、30回だろう」と笑わせる回数を巡り、口角泡を飛ばす議論になったという逸話があります)
しかし、この「笑い」に対する真摯な姿勢は、不断に、円滑な人間関係をつくりあげる潤滑油として作用し、人と人との絆をはぐくむ役割を彼の地では果たしてきたのではないかと思います。それを、ここでは「大阪マインド」と呼ばせていただきます。

「大阪マインド」を活かした外国語活動

ある小学校における外国語活動の授業研で目撃した「大阪マインド」です。 そこでは、「“What do you like?”と“I like…”を用いたスキット(寸劇)を創作する」という創作活動がなされていました。スキットの作成に係る制約は、「誰と誰のやりとりであるか(相手意識)」と「どのような場面であるか(場面意識)」を含むという点だけで、以下はその例です。 設定も驚きました、スーパーマーケットで迷子になっている子どもと、それに対応する警備員という設定です。

迷 子:(小学校低学年の児童のような迷子が、ワーワー泣いている)
警備員:(泣き叫んでいる迷子をなだめるように、恐る恐る声をかける。そして、ポケットをまさぐりながら)Do…, Do… you like candies?
迷 子:(激しく頭を振りながら)No! No! (さらに、泣き叫ぶ)
警備員:(子どもをなだめるために、さらにポケットをまさぐりつつ) Do you like cookies?
迷 子:(やさしい警備員の登場に少し落ち着きを取り戻しながらも泣き声で)No, I don’t.
警備員:(迷子が少し落ち着いたので少し安心しつつ)What do you like?
迷 子:(きっぱりと)I like my father and mother.

思わず「きれいにオチでるやん」とつぶやいてしまいましたし、このような「大阪マインド」が織り込まれたスキットが次々と生み出されていました。

また、このようにオチのあるスキット(小話?)を授業で創作させると、普段は「指導する側」・「される側」という関係にある、児童・生徒と教員の関係が、瞬く間に対等な関係になり、「お笑い」を基軸に激しく創作の火花を散らす状況が生まれます。(逆に、決まりきった表現を、淡々と練習するパターンプラクティスでは、耐えがたいような時間が流れる場合がありますが…)

大阪府が、独自の取組みとして平成23年度より実施している事業として「使える英語プロジェクト事業」というものがあります。「義務教育修了段階で自分の考えや意見を英語で正確に伝えることができる生徒の育成」という目標には、「自分の考えや意見を児童・生徒に持たせるために、子どもたち自身がしっかり考えることのできる題材で授業をお願いします」と、「もし、自分の考えや意見が、話し相手にきちんと伝わっていいないと感じたならば、『私の言ってること分かっている?』『私、こんなことが言いたいねん』と、完璧な英語でなくても、文法的に多少の間違いがあったとしても、相手に自分の考えや意見が伝わっているかを確認するやりとりを厭わない子どもたちをはぐくんでほしいと」という思いを込めています。子どもたちや教材に真摯に向かい合う教員のご尽力により、着実に、その基盤が大阪ではぐくまれています。

ここのところ幾度か、必要以上に相手をやりこめる議論や、感情的な言葉を線的にぶつけ合うだけの議論等「ことば」自身が帯でいる磁力を慮っていない、荒んだやり取りに出くわし、悲しい気持ちになりました。同時に、そんなときほど、彼の地がはぐくんだ「大阪マインド」を活用することが大切なのかなとも思いました。
どうやら、外国語活動で目標とする「コミュニケーション能力の素地」とは、大阪では「『自分の考えや意見を英語で正確に伝える』時に、お互いに笑顔で、気持ち良くやりとりできる『大阪マインド』を織り込んだ、たくましい子どもたちを育むこと」ではないかと感じている昨今です。子どもたちは、未来に生きる人たちです。その子どもたちに、今を生きる私たち大人が、素敵な「未来への贈り物」として外国語活動をプレゼントできればと思います。

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信田 清志(のぶた きよし)
昭和47年 大阪府岸和田市生まれ忠岡町育ち。生粋の泉州育ちで、泉州アクセントの大阪弁を話す。
平成08年 大阪工業大学高校(現・常翔学園)を皮切りに、大阪府岬町立岬中学校などで12年教鞭をとり、平成20年度より大阪府教育委員会指導主事。主に「使える英語プロジェクト事業」の担当をしている。
大阪府教育センター主催の教科指導方法研修(平成15年度~)でICTとグループ活動を融合した研究授業を行った。また、大阪府教育委員会が作成した研修資料でもある「学習指導ツール」でもモデル授業が動画掲載されている。

信田 清志(のぶた きよし)

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