審査員推薦作品
「絡まる」
【講評】審査員:大津 英敏 先生
画面の上下左右にていねいに描かれた花やクモなどを、画題にあるように絡め取るように赤い紐がやわらかく描かれている。中央の子猫はその赤紐をあやつっているのであるが、決して恐ろしい場面とは見えない。いわば赤いクモの糸を手や足で上手にあやつりながらたのしげに遊んでいるかのような印象が画面から見える。何よりも中央の子猫のやさしげな目の描写がこの絵を、構成のたくみさとともに筆のタッチの優しさが感じられる。
審査員推薦作品「絡まる」
審査員推薦作品
「アトリエと行方不明」
【講評】審査員:遠藤 彰子 先生
楕円形の目の様な前面と向こう側のアトリエ風景・内と外の組み合わせの妙によって日常の一コマに心地良いハーモニーが奏でており新鮮な感覚で観ることが出来ました。淡い色彩が美しく、物語性のある奇妙な世界観を作り出している所に好感を持ちました。
審査員推薦作品「アトリエと行方不明」
審査員推薦作品
「顔」
【講評】審査員:田中 義昭 先生
絵を描くのは楽しいものです。今の自分の気持ちを素直に一枚のキャンバスに描くことは楽しいものであり、この作品は、宇宙に自分自身の気持ちが浮遊している気持ちを色彩色を抑えて自由な空間と旅している星の様にそれぞれ皆が空間の中で自由に明日に迎って楽しんでいる星たちが描かれて居ります。自由奔放な気持を大切にし頑張って行きましょう。
審査員推薦作品「顔」
審査員推薦作品
「欲望」
【講評】審査員:山本 貞 先生
この作品は基本的には、いわゆるコラージュ(貼り合わせ)によるものである。コラージュの利点は切りとったモチーフで様々に構図を練ることができることであろう。たぶんこの作品もハムスターの横顔、近く遠くとイメージに合うポイントを捜して、キッチリと構図を作った、おまけに近くから見ると、おそらく作者に近い女の子が動物たちの隙間から覗いてたりして遊んでいる。これも作者が撮影した写真などをコピーして、それを貼りこんで加筆したものだろう。全体から見るとセーラー服の少女が丁度いい大きさであり感心する。ハムスターの毛ざわりも密度がありながら、さほどの苦労はしないでボカシで感じを出している。全体の構成に加えて色調もいい。耳の透けたピンクだけが色の役割を十分呈している。才気もあり適度の「おちゃめ」が見ていて楽しい。多くの出品作の中で、じっくり眺めると秀作だとわかる。宮下和皆のワンダーランドの世界だ。
審査員推薦作品「欲望」